タイ経済失速の見通しも食品輸出がカギに

タイ政府の財務省財政政策室により、2015年の今年の経済成長率は3.9%程度になるとの予測が発表されました。さすがに途上国ですので日本よりも景気は好調の様に見えると思います。

国営企業や政府が経済活性化に投入した予算が1兆バーツを超えており、景気を下支えする要因になっていると予想されるからです。また政府系のシンクタンクにより、1~3月の第一四半期のタイの経済成長率は3%を超えると3月18日に見通しが発表されました。

タイでは道路の建設や補修、洪水対策など公共事業への予算割り当てが予定されており、これらが景気を刺激し、少しずつ効果が現れると思います。一方中小企業向けには、低金利融資として150億バーツを予定しているため、トータルで千億バーツを超える予算が景気対策に割り当てられます。

このように、タイ政府は景気対策に多くの予算をつぎ込んでいます。財務省の財政政策室が予測した3.9%成長も十分期待できると思いますね。

しかし、3月24日にアジア開発銀行(ADB)が発表したタイの経済成長率は3.6%と、これまでの3.9%から0.3%程下方修正されてしまいました。短期間で経済成長率が下方修正されたことは極めて異例です。この見通しに関して、タイの中央銀行も4%から3.8%に下方修正しています。特にカシコンリサーチセンターは、4%から2.8%へと1.2%も下がっているため、金額ベースでもかなりのマイナスになると思います。

見通しが下方修正された原因は2つあります。

まず一つ目が世界経済の低迷予測です。世界経済をリードする先進国を始め、新興国においても成長率は鈍化傾向にあります。このため、タイ経済も失速するとの見方があるのです。

もう一つはタイの輸出低迷が原因として考えられます。ADBが発表したタイの輸出成長率は、3~4%から1~2%へと、ほぼ半分に下方修正されました。一方で、今後はタイの食品輸出が増加するとの見方もあり、昨年度の1兆100億バーツを約7%上回る可能性も指摘されています。特に日本やフィリピンなど、アセアン加盟国への輸出増加が考えられています。これらの国が今後タイの輸出産業を下支えすることを期待するばかりです。

タイの「輸出」に関しては米国に次いで日本が第2位の国となっています。食品での品目は「生鮮魚介類」が該当してきます。また「輸入」は日本がNo1です。タイから見ると日本との貿易は赤字となっています。しかし日本から受け取る投資や経済協力は多方面に非常に厚みがあります。タイにとって日本は友好国であることは間違いなく、タイの経済発展に貢献している国No1といっても過言では無いでしょう。