異常気象の続くタイで干ばつ被害が続出、日本経済への影響も

タイの気候は熱帯性なので5~10月までが雨季となっています。しかし、今年は異常気象が続いており、7月までの雨量は平年を大きく下回り、北東部に至っては平年の6割程度の雨量に留まっています。

タイでは、例年は日本と同じくモンスーンの影響で5月頃から雨量が増えますが、今年はモンスーンの活動があまり見られず、各地で深刻な干ばつ被害が出ています。

国民の4割が農業に従事しており、世界有数のコメの輸出国でもあるタイですが、干ばつの影響によりコメの生産量が激減するとの見込みによって、バーツが大きく下落しています。

タイ気象局によれば、8月には降水量は平年並みに戻ると予想されていますが、一方で、雨の降り過ぎによる洪水が心配されています。

2011年の秋にはかつてない規模の大洪水が発生し、首都バンコクの機能さえもが一時、停止状態にあったことは記憶に新しいことと思います。

ホンダ、トヨタ、ニコンといった日系企業も、洪水の影響を受けて長期間生産がストップし、莫大な損害を被りました。

また、エビの養殖場が被害を受けて、日本のスーパーでも品薄状態になるということもありました。

このように、日系企業が多数進出しているタイで天候が悪化するようなことになると、日本の経済もその影響をもろに受けてしまいます。

2006年頃から、タイでは雨量の多い年が続いていますが、雨の降らない年は極端に少ないという傾向があります。今年もその例に当てはまるわけですが、こうした雨の降り方の変化も温暖化が進行している影響であると見ることができます。

外国での天候の変化が自国の生活に直接影響を及ぼすということは、経済的にグローバル化が進んでいることのひとつの証明と考えることもできますが、それを鑑みると、他国の情勢にもっと注意を払うべきだと思います。

特にタイは、昨年政権を握った軍部が、経済を再編することよりも政府への異議を抑圧することに力を注いでいます。それに加えての異常気象ですから、タイへの事業進出に関してはまだしばらく厳しい状況が続きそうです。