タイ労働事情シンポジウムが日本で開催

海外産業育成協会は、2016年1月にタイ労働事情シンポジウムを東京で開催しています。法政大学の浅見教授による「タイの労使関係とその政治的背景」についての基調講演のほか、タイで現地法人を運利した経験のある人やタイでの自社の人材育成の経験豊富な人によるパネリストによるパネルディスカッションなども行われています。

日本企業の東南アジア進出は年々加速度的に高まっています。特にマレーシアやタイには進出を希望する中小企業が多く、この2か国は今後、日本企業がグローバル化を進めていくなかで重要な位置を占めると考えられます。その一方で、タイをとりまく環境や政治事情も日々変わってきており、日本企業は今後、タイで優秀な人材を確保するだけでなく、育成・研修なども充分に行って、円滑な労使関係を築いていく必要に迫られています。

タイでは、企業家や投資家がタイの慣習や労働法を理解していないために数々の問題が発生している現状があります。たとえば、タイではコンサルタントが経費削減を理由に法律違反したとしても、タイのことを知らないために、問題を見過ごして、後から大きな裁判事案になるなどのケースが多発しています。労働保護福祉局という労働基準監督署にあたる組織はありますが、ここからの安全衛生に関する告示をそのとおりに実施していない企業も多く存在しています。

タイ労働事情シンポジウムでは、こういした背景を政治状況やタイ独特の労使関係などから説明して、日本企業がタイに進出する際に留意しておきたい点などを講演やパネルディスカッションで伝えています。タイには日本から1980年代から進出している中小企業があります。こういった企業では、現地で人材を発掘して育成して、それによって成功しているところが少なくありません。

現在タイに在住する邦人は5万人近くと非常に多くなっています。タイへ転職を考える日本人は今後も増加する可能性が高く、進出企業の創業にあたっての苦労話などは大いに参考になるでしょう。タイはまだ発展の途上にあり、下位所得層や低所得層の多い国で、労働環境の改善もこれから課題を多く抱えています。